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「塩壺の匙」車屋長吉 [それでもどっこい生きてます]

愛、正義、勇気とは対極にある作品。かといって、偽悪的ではないし、読んでいて嫌な感じはしない。心をえぐられるけど。
ずっとこの作品をなんていえばいいのか考えてたけど、エゴ、なのかな。
他人をおとしめようとするわけではなく、ただ自分のエゴに生きる人たち。他人が視界に入っていない、バラバラな家族。

でも、たぶん、ありふれた形の家族なんだと思う。表現がどぎつくて、特殊な家庭にも思えるけど、どこも似たり寄ったりな面があるんじゃかなろうか。
偽悪的ではない、といったのは、とことん現実的なにおいが作品から漂っているからなんだと思う。

仮面をかぶりすぎて、なんだか分からなくなっている今の世の中、今の家族も、たぶん、こんなもんなんだと思う。
別に悲観してるわけじゃなくて、前提をここからはじめられれば、とても現実的に先に進んでいけそうな気がする。

だから、現実とどう付き合っていいか分からない時、自分をコントロールできずもてあましてしまう時、こういう本に出合えれば、すばらしい。

本の内容からすればちょっと変な話だけど、読んでて救われたような気がしました。

現実を感じることは、とても、とても、大切だと思う。


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