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「直観でわかる数学」畑村洋太郎 [それでもどっこい生きてます]

三角関数、行列、指数・対数、虚数・複素数、微分・積分、微分方程式、確率、それらをタイトルどおり直感的に説明している本です。
実生活を題材にしたり、なぜその概念が生まれたのか、について丁寧に説明してあるので、普通の数学の本よりは実感しやすい気もしますが、微分積分とかは、ピンと来ませんでした。
なんか、もうちょっと何かあれば理解できる気がするのですが。すごく残念です...。くそー。

指数の説明で、「掛け算的に変化する現象を、足し算的に変化する現象に置き換えることで、簡単に計算しやすくする」ってのは、「おおお」と思いました。なるほどな~。
桁が多くなると、それだけで計算が大変ですからね。

あと、微分方程式の説明で、「具体から抽象へは行けるが、抽象から具体へはいけない(行こうとしてはいけない)」ってのがよかったです。

たくさんある具体的な物事を抽象レベルをあげながら、ある方法で説明できるようにしていく。そして、実際の具体的な物事に生かしていく。
でも逆に、そうやって抽象化されたことだけを道具の様に使って、具体的なものをはじきだそうとするのは、抽象世界に足を絡めとらえることになる。

これは、現代的でかつ大きな話に思えます。

たとえば、プログラムにもまったく同じ罠が潜んでいるんですよね。

あくまで、具体的なものごとを実現する為に抽象化作業を経て、プログラムは存在する、と思うのです。

これがプログラマーがプログラムをする意味です。

でも、プログラマーは生真面目に「より効率的にプログラムを作る方向」、この本に沿った言葉で言えば、「より純粋な抽象化に向かう方向」を追求するんですよ。
仕事であることもあるんですが、純粋に抽象化されたもの(プログラマーがいう「美しいプログラム」)に魅惑されてしまう、ということもあると思います。

でも、それは具体的なものを生み出す方向じゃないんですよね。

間接的には具体的なものが生み出される可能性があるとしても、です。

このことは最近ずっと気になってしょうがないです。

抽象化を進めていくことと、具体的なものを生み出していくこと。この二つは突き詰めていくと、どこかで近づいていくんでしょうか?
それとも、基本的には離れていく方向で、たまに幸運によって交差するだけなんでしょうか?

うーん。どうなんでしょう。


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