「生きる意味」上田紀行

生きる意味を消失した現代日本人のこれからの目指す道はこうだ、みたいな内容の本です。
筆者の「みんなこのままじゃいかんだろう！もっと自分や他人の為になんかやろうよ！」という思いは伝わってくるんですが、ちょっと社会分析っぽい内容(日本のここが問題だみたいな)に傾いていて、微妙な感じです。
筆者には悪いですが、あとがきにある、おぞねとしこ、という人の詩が一番よかったかも。

こういう啓蒙本、人生読本、オレの説教本の類、たまに読みたくなって買うんですが、どうもイマイチなものが多いですね。
「現代社会は～だから～しなければならない」的な分析や指針の羅列はいらないから、「まさにオレはこうやって生きている～！」という内容のものの方が好きです。たとえそれが小説であったとしても。

一人一人リアルな現実を生きていて、でも脳内はそれと逆行していく状態だったりする。そんな状況で、さらに脳内モードを加速させる様な本を読むのはちょっとつらい。なるべくなるべくリアルにリアルに寄り添いたいと強く思うのです。

生きる意味 (岩波新書) 著者 : 上田紀行 岩波書店 発売日 : 2005-01-20 ブクログでレビューを見る»