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「タナトスの子供たち」中島梓 [それでもどっこい生きてます]

前著「コミュニケーション不全症候群」の続編です。

一応説明すると、筆者の中島梓はグインサーガの作者である栗本薫の評論家としてのペンネームです。
中島梓の名前で「クイズ ヒントでピント」に出てたので、知っている人もいるんじゃないでしょうか。

本の内容は「やおい」をテーマにしたものです。

私は「やおい」本を読んだことないので、実体についての細かいことは良く知りませんが、社会とジェンダーの関係をとても刺激的に書いています。

栗本薫自体が「やおい作家」としての側面を持っている(らしい)ので、「自分はなぜやおいが好きなのか」から始まり、「なぜやおいに惹かれる人がこんなにいるのか」「やおいとはいったいなんなのか」ということを延々と考え続けながら、「やおい」が生まれるに至った社会の分析をしていきます。
その中では、「やおい」だけではなく、少年漫画や少女漫画、おタク、依存症、多重人格についての話も出てきます。

薄っぺらな分析社会学の本と違って面白いと思うのは、本人がその渦中にいるので「やおい」と正面から向き合っている、もしくは向き合わざるを得ないことです。中島梓(もしくは栗本薫)にとっては他人事じゃないのです。

まだ読み終わってないのですが、後半にいけばいくほど真剣さが増してきて、あくまで「やおい」を軸にすえつつも広がりのある話になってきているので、非常に読み応えがあります。7年前の本とは思えないです。


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