「白の鳥と黒の鳥」いしいしんじ [それでもどっこい生きてます]
童話とショートショートSFと詩が融合したような、小説短編集です。
「面白い」という感想より、「なんなんだろうこの世界は」という感想の方が強いです。引き込まれるというか。ちょっと他の小説とは違います。
全19編のうち、好きなのは下の二つ。
「魔法のリコーダー」
同じ曲を七回吹くと願いがかなうという魔法のリコーダー。少年はそれを病気の妹の為に買おうとするのだが...。
「太ったひとばかりが住んでいる村」
密林の奥の村に珍種の鳥を撮影に出かけた二人。その村は太った人ばかりが住むちょっと変わった村だった。
全般的に文体が詩の様に美しいですが、展開自体はブラックなものが多いです。
そこで描かれる場所は、自分の世界と地続きな感じもするし、まったく違う世界の話の様にも思われます。
「宮沢賢治のようだ」という感想は、ありきたりなのかも知れませんが、そう思いました。
童話とか好きな人にはオススメ。ちょっと違った世界が味わえます。
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