仏像のある空間を作ること [それでもどっこい生きてます]
仏像のある空間は「あの世」はこういう世界であろう、という想像の元に作られます。人が死んで仏様にあう、そこがどんな世界であるか、死ぬ前に確かめて安心したかったのかも。
それは現代でたとえていえば、旅行のガイドブックみたいなものかも知れません。見たこともない場所に行く前に、少しでも予備知識を手に入れて不安を取り除きたい。
旅行だとちょっと楽しいイメージがあるから、転職ガイドブックの方がいいかな。
転職は、したことがあればよく分かると思いますが、大変なものです。
新しい職場になじむために何が必要なのか、服装はどんなものがいいのか、髪型は、時計は、好きな野球の球団は、それともサッカーか、お昼は一緒に食べるのか、帰る時間はどうなのか、飲み会はあるのか、事前に知りたいことはたくさんあるわけです。すこしでも安心して過ごすために。
鎌倉の新仏教が盛んだったころ、人々は切実に死後の世界で救われることを願ったようです。本当に死後が不安だったのでしょう。仏像がたくさん残っていることからも、その切実さは伝わってきます。
だから死んだ後の転職先を少しでも知りたい。今のわれわれが転職するときと同じくらいに切実に。
本当にすばらしいお寺は、仏像の前の空間にいるだけで、「ああ、あの世はこういう世界なんだろうか」と思いますよ。
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もちろん、今日も休日出勤。
でも、本屋と飲み屋は行ってきました。
この前の本が大量に残ってますが、
鷲田清一は「聴くことの力」がよかったので、いつか他の本も買おうと思いつつずいぶんたちました。これが二冊目のハズ。
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