「防災ゲームで学ぶリスク・コミュニケーション―クロスロードへの招待」矢守克也・網代剛・吉川肇子 [それでもどっこい生きてます]
「クロスロード」というカードゲームの開発の過程を書いた本です。
JASAGに行った後、「実際にシミュレーション&ゲーミングと呼ばれるもので買えるものはないか?」と調べていたときに、このゲームと本を見つけたのでした。
「クロスロード」は、神戸震災での市職員の経験を広く伝える為に開発されたカードゲームで、「神戸市職員震災人材バンク」のデータベースを元に作られています。
詳しくは、【クロスロードとは?】に説明があります。
実際ゲームの方も買ってやってみましたが、ルールも簡単だし、説教くささも薄いという点で、教育ゲームとしては良く出来ていると思いますし、正解がないというのも良いと思います。
ただし、コンピュータゲームと違い、テーブルトークRPGの様に会話が主体になるので、「なぜ自分がその判断をしたのか?」とかの、ちょっと深めな話をすることになるので、そこがダメな人は多いだろうと思います。
そういう意味で、教育系のゲームで一番の壁は「現実の重さ」だろうと思います。
でもそれは教育系のゲームだけの問題というよりは、blogでマジメな話をする場合、たとえば政治や宗教の話をする場合の壁と同じ質の問題だと私には思えます。
少なくとも、今の日本社会では、そういう話は「クライ」「ダサイ」話として、非常に嫌われています。
【東京ファイティングキッズ・リターン】のあとがきで、平川克美さんが、アメリカのパーティなどで、政治と宗教の話がタブーだというのは実はマナーとかの問題じゃなくて、そういう話をする為の言葉の使い方を知らない、主に攻撃の道具としての言葉の使い方しか知らないからじゃないのか、という意味の文章を書いています。
私もその感覚に同意します。日本も似た状況に陥っているように思います。
そんな日本の現状で教育系ゲームを作ること、遊ぶことの困難さをこのゲームをやってみて感じました。
また、この本には、ところどころにゲームデザイナーの網代剛さんのコラムがあるのですが、これがなかなか良い読み物になっていて、ゲームに対する愛情を強く感じるものでした。
多分、JASAGで名刺をお渡しした方だと思うのですが、ちょうど名刺を切らしているとのことでご本人の名刺はもらえませんでした。ただ記憶が曖昧なのでご本人かどうかの確信はありませんです。
ちなみに「クロスロード」は、【ショップルネ】から買えます。興味ある方はどうぞ。
ありがとうございます。
クライ ダサイ 話を 明るく スマート(-ではないか…)に
できたら ステキだなぁ…と思います。
ひげたま さん には また今年も 遊びに来てもらいました。
by 網代剛 (2007-10-29 23:09)
> 網代さん
ども、お世話になりました。
またお世話になりに行きますー。
by ひげたま (2007-10-30 01:19)