SSブログ

「冷血」トルーマン・カポーティ [それでもどっこい生きてます]

1959年11月にカンザス州で起きた一家4人惨殺事件を元にしたノンフィクション・ノベル。

私は犯人の一人であるペリーに感情移入しつつ、でも突き放されつつ読みました。

殺人、しかも一家4人の惨殺事件。
こんなニュースになりやすく、煽りやすい事件なんてなかなかないでしょうね。

もし、今同様の事件が日本で起きたら、連日ワイドショーで取り上げられ、一家がいかに善人だったか、犯人がいかに非道で卑劣な人物であるかが、周知の事実として国民の間に広がることでしょう。
そして、もし犯人が死刑になることに反対なんてしたら、「被害者のことを考えない」平和ボケした人物として見られることでしょう。
「正義」が行われることを当然だと思うでしょう。

でも、もう一人の犯人であるディックが最後に言う様に、「死刑ってのは復讐ってことに尽きる」と思います。(ディックは死刑も復讐も否定しません。ただ、それが自分以外であるならばですが)

死刑を支持する人は、「正義」を口にするのではなく、自分が死刑執行人の力を借りて「復讐」をしているのだ、と自覚すべきだと思いますし、なぜ自分が他人の死をキッカケにしてまで「復讐」に駆り立てられるのか考えてみたほうが良いと思います。

死刑廃止に積極的に賛成できないという自らへの自戒を込めて。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

管理職失格バッグが戻ってきました ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。